変わるもの、変わらないもの

古くから使われいるものを使い続ける。という精神を大切にしています。大きな機械が必要なわけではない、ちいさい麹屋だと長く使い続けているものがたくさんあります。ただ、それを頑なに守り続けているわけではありません。効率を求めてあらたな技術を使用すること。衛生面が特に気になるこの時代、使い捨てのもので清潔さを維持することはとても大切です。使い続けるべきものは使い続け、良い点があるものは取り入れ、柔軟に対応していく、それは麹にも言えるとふと思いました。昔は冬の時期になると次の年に使う味噌を仕込みました。いくつかの世帯で集まって作られる方もありましたので、とっても多い量になることも。しかし、今は世帯のあり方の変化や、スーパーで一年中良い味噌が買えることもあり、自身で作る必要も少なくなってきています。古くから味噌を仕込んでいる方を大切に思い、尊敬しつつ、最近のご家庭へのあり方として、少ない量からでも作れる教室が開かれていたりということも大変に嬉しいことです。また、飲む点滴と言われる甘酒や、料理にちょっとしたよい変化を与えてくれる塩麹など現代でも見直され、しっかりと今に根付いています。古くから今に至るまで柔軟に使われ続けている麹というものを誇りに思うとともに、何より麹に価値を見出して興味を持ってくださる方々がいるからこそ作り続けられるわけでありまして、感謝しかありません。この一年は大変な年でした。大きな出来事の中で変わっていたものが多々ありました。その中で私たちは変わらずまだまだ作りつづけることができています。お買い上げくださった方々、興味を持っていただいた方々、本当にありがとうございます。また、来年もよろしくお願いいたします。